建築家として磯崎は日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカ、中東、中央アジア、中国などに多くの建築、都市を作り続けていますが、その思考の源は「建築外」にあり、思想、美術、デザイン、音楽、映画、演劇など常に建築の枠組みを超えて、時代や他領域を交錯する問題提起を生み出してきました。磯崎にとって線を引くことは、それが建築のスケッチであれ、旅の記録であれ、思考の最初の一滴が生み出されることでもあります。
カメラをスケッチブックに持ち替え、フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の輪郭を写し取り、自らを定住しない書画船の文人のように船上から筆を滑らせ桂林のカルストを描き、パステルの顔料の鮮やかさをそのままにウィーンの超高層ツインタワーの線を引く。また2000年以降の中国におけるプロジェクトの水彩は、自身の建築作品の文人たちへのオマージュでもあります。
WORKS
Isozaki Arata
Barcelona
バルセロナ
1993
Ink on paper
26.2 x 23.2 cm (10.3 x 9.1 in)
Isozaki Arata
Mito Tower
水戸タワー
1993
Ink on paper
26.2 x 23.2 cm (10.3 x 9.1 in)
Isozaki Arata
Beppu
別府
1999
Pastel on paper
31.5 x 40.5 cm
Isozaki Arata
Berlin
ベルリン
1999
Pastel on paper
31.5 x 40.5 cm
Isozaki Arata
Wein
ウィーン
1999
Pastel on paper
31.5 x 40.5 cm
Isozaki Arata
Nara
奈良
1999
Pastel on paper
31.5 x 40.5 cm
Isozaki Arata
Ueno
上野
1999
Pastel on paper
31.5 x 40.5 cm
Isozaki Arata
Guilin
桂林
1997
Watercolor on paper
31.5 x 40.5 cm
Isozaki Arata
Xi’an
西安
1987
Watercolor on paper
31.5 x 40.5 cm
Isozaki Arata
Nanjing
南京
2008
Watercolor on paper
25 x 23.5 cm (9.8 x 9.2 in)