福岡相互銀行大分支店
大分市中心部に計画されたこの作品は、その塔状の外観によって、都市の中で(市民にとっての)ランドマークと(企業にとっての)広告という二重の役割を果たすことが意図されました。特筆すべきは、サモン・ピンクをはじめとする鮮やかな色彩によって覆われたその内部空間です。色彩によって空間の質を変化させる試みは、大分県立図書館においてすでに見られ、「色彩と空間」展(1966年、南画廊)や「空間から環境へ」展(同年、銀座松屋)といった展覧会を通して深められてきたテーマでした。その背景には、空間は人間身体の外に独立して存在するものではなく、その都度の身体的な知覚によって生じてくるものだという認識がありました。
大分市美術館[「磯崎新の謎」展 〈いき〉篇+〈しま〉篇 (2019年)]p8 より
WORKS
Isozaki Arata
Fukuoka Mutual Bank Oita Branch
福岡相互銀行 大分支店
1968/2014
Silkscreen print
103 x 35.5 cm
Edition of 25
Isozaki Arata
Architectural Space
建築空間
1966 /2011
Mixed media
180 x 138 x 52 cm ( 70.8 x 54.3 x 20.4 inch)