草庵フォリィ
日本庭園に点在する小さな茶室は、西洋の景観建築に見られるフォリーに通じるものがあります。この茅葺き小屋のフォリィのデザインは、日本と西洋の素朴な要素を一つの建築物に取り入れたものであるが、その目的はスタイルの「統合」ではなく、美術品や機能的な品物を並べて鑑賞する、茶道の伝統を復活させることにあるのです。このフォリィでは、素朴で伝統的なオブジェと現代的な工業用素材が、日本美術の精神を思い起こさせる「取り合わせ」の中で組み合わされています。
草庵フォリィは、手水鉢と腰掛待合を備えた屋根付きの庭と、石壁に囲まれ、ステンレス製のパーティションで仕切られたオープンスペースの2つの部分から構成されており、仕切りの片側では茶道が行われ、もう片側は水屋となっています。屋根は茅葺きで、16世紀以降、日本の茶室で最もよく使われた材料です。
「Arata Isozaki: Architecture 1960 – 1990」(Rizzoli)p146 から翻訳