ハン・ヨンス
Unknown City
2024年8月24日(土)–9月21日(土)
オープニングレセプション:2024年8月24日(土)17:00-19:00
開廊時間:火−土(日月祝休)12:00-19:00
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MISA SHIN GALLERYは、8月24日(土)から9月21日(土)まで、韓国を代表する写真家、ハン・ヨンス(1933-1999)の日本における初の個展「Unknown City」を開催いたします。
1933年、高麗の王都、現在の北朝鮮の開城の裕福な家庭に生まれたハン・ヨンスは、幼い頃から絵画の才能を発揮し、写真の技術を独学で習得します。
朝鮮戦争中(1950-53)、韓国軍の若い士官として最前線で過酷な戦闘に参加し、深い悲しみと怒りを抱えてソウルへ戻ったハンは、傷つき、打ちのめされて瓦礫となった光景の中で、生き抜く術を見つけた人々の気概と回復力を目の当たりにし、カメラを手に街を撮り始めます。
韓国におけるリアリズムムーブメントの最初の写真家グループ、Shinsunwhuiに参加し精力的に写真を追求するようになったハンは、レンズを通じて、戦争のさまざまな後遺症に苦しみながらも悲劇から復興していく都市と、押し寄せるモダニズムの中で大きく変化する社会と人々の暮らしを記録しました。その視点は、廃墟と化したビルのぽっかり空いた空間から見える洋装の男女、通りを去来する路面電車や自動車、リヤカーと長く伸びる影、雪道を楽しげに駆けていく少年たち、ウォン・カーウァイの映画の一シーンを彷彿させる読書に没頭するカップルと花柄の屏風など、そこに生きる人々が戦争から立ち直り確かに生きるためのエネルギーを放ち始めた瞬間を切り取っています。
とりわけハンのレンズのには、職業やファッションスタイルなどがそれぞれに異なりますが、戦災を逃れたであろう美しい瓦塀の歩道をスタイリッシュなレインコートを来て歩く女性、透けるような韓国服を纏いパラソルで夏の眩しい日差しを遮る女性、洒落た毛皮のコートを着てハイヒールで歩く女性など、戦争で多くの男性が犠牲となった韓国で、起業家または消費者として復興に主導的な役割を担うことになりつつあった女性たちの自信あふれる姿が映し出されています。
それらの写真に見られる、完璧な構図と瞬間を捉えるタイミング、そして細部への細心の注意など、朝鮮戦争後の激動の時代のソウルを撮影した彼の写真は、現在では最も豊かで人間味あふれるイメージとして高く評価されています。
ハンは1966年に自身のスタジオを作り商業写真家として、大きな成功を収めることになりますが、本展ではハンの1956年から1963年の間に撮影された作品計15点を展示いたします。
ハン・ヨンス
1933年-1999年。韓国・開城市生まれ。戦後に活躍した韓国を代表する写真家の一人。主な個展に「Han Youngsoo: Photographs of Korea 1956-1963」Harvard University Asia Center(ケンブリッジ、2019年)、「Han Youngsoo: Photographs of Seoul 1956-1963」International Center of Photography(ジャージーシティ, 2017年)、「Seoul, Where I Grew Up」 Seoul Museum of History(ソウル、2017年)など。