石垣 克子
見なれた風景
2025年2月22日(土)–3月22日(土)
オープニングレセプション:2025年2月22日(土)17:00-19:00
ギャラリートーク:石垣克子 x 天野太郎(東京オペラシティアートギャラリー チーフキュレーター)2月22日(土)17:00〜 事前予約不要
開廊時間:火−土(日月祝休)12:00-19:00
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MISA SHIN GALLERYは、2月22日(土)から3月22日(土)まで、石垣克子の個展「見なれた風景」を開催いたします。
石垣克子は1967年沖縄県生まれ、米軍基地や米軍用の住宅、戦後変化をしてきた建物や街並みなど、沖縄の風景を描き留めようと試みているアーティストです。沖縄に米軍基地があることが当たり前として育った世代にとって、基地のある風景は、石垣が5歳までを過ごした石垣島のイノー(珊瑚礁に囲まれた礁池)の自然豊かな原風景とともにパラレルに存在します。
2008年、石垣は、極東最大の米軍基地、嘉手納飛行場に隣接するコザ(沖縄市の旧名)にスタジオを移します。那覇市にある自宅からスタジオに通うときに見える基地は、時間と共に日常の風景となり、10年ほどの時を経てその風景を記憶に留めようと描き始めます。
日本の国土面積のわずか0.6%の沖縄県に在日米軍専用施設・区域の約7割が集中するという現実。一部では返還が進み新たな街が造られるなど、米軍基地を巡る風景は刻一刻と変化しています。「米軍基地がもし返還される日が来るならばその風景は無くなってしまう、その時になかったことにはしたくない―。」フラットな色彩と筆使いで描く、太陽の光を均一に浴びた米軍専用施設やフェンス越しの外人ハウス、開発に取り残されたような民家、剥げかけたペンキがぬられたコンクリート住宅。沖縄にいると当たり前として日常に存在する見なれた風景は、近年どの都市でも起こっているスクラップ&ビルドによる風景の変貌と違った意味をもちます。
石垣の描く沖縄の風景は、見るものの心に沖縄の現実に混在する哀惜と明るさという相反する感情を呼び覚ますとともに、沖縄の歴史とともに変化を重ねる、あまりに日常的な風景について、あるいはその風景というものが喚起する力を再考しようと試みます。
石垣克子 Ishigaki Katsuko
1967年沖縄県生まれ、同地在住。沖縄県立芸術大学美術工芸学部美術学科絵画専攻卒業。主な展覧会に、「今もゆれている」あざみ野市民ギャラリー(神奈川、2018年)、「マブニピースプロジェクト」(沖縄、2019年)、沖縄アジア国際平和芸術祭(沖縄、2020年)、「琉球の横顔」沖縄県立博物館・美術館(沖縄、2021年)、「『復帰』後 私たちの日常はどこに帰ったのか」佐喜真美術館(沖縄、2022年)、「六本木クロッシング2022展:往来オーライ!」森美術館(東京、2022年)、「海・島・山ちつづきの暮らし」つなぎ美術館(熊本、2023年)The 11th Asia Pacific Triennial of Contemporary Art(ブリスベン、オーストラリア、2024年)