Isozaki Arata “Primordial Line”

Isozaki Arata “Primordial Line” 2017
Installation view at MISA SHIN GALLERY
Photo: Keizo Kioku

Isozaki Arata “Primordial Line” 2017
Installation view at MISA SHIN GALLERY
Photo: Keizo Kioku

Isozaki Arata 磯崎 新
Primordial Line 一本の線
Date: Thursday May 18 – Saturday July 8, 2017

PRESS RELEASE

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── すべては「一」から始まり、絵も書も「一」に集約される。つきつめるところ一本の線であり、そこにすべてが表される。(石濤「画語録」より)

書画琴棋を日常的に楽しみ、鑑定、収集、知識のコノワスールではあるがプロフェッショナルなビューロクラートではないこと、詩文を得意とするが友人と交換するのは自らの趣味においてであり、天下国家とは無縁である。技芸を職とせずアマチュアに徹し、墨、筆、硯、紙を愛でる──このように定義される文人の中でも、とりわけ明末清初という激動の時代にアカデミーと無関係に生きた文人、石濤は独自の画論「画語録」を書いていますが、その中にある「一画」という章は、磯崎のドローイングを解読する鍵になります。

建築家として磯崎は日本のみならず、ヨーロッパ、アメリカ、中東、中央アジア、中国などに多くの建築、都市を作り続けていますが、その思考の源は「建築外」にあり、思想、美術、デザイン、音楽、映画、演劇など常に建築の枠組みを超えて、時代や他領域を交錯する問題提起を生み出してきました。磯崎にとって線を引くことは、それが建築のスケッチであれ、旅の記録であれ、思考の最初の一滴が生み出されることでもあります。

カメラをスケッチブックに持ち替え、フィレンツェのサンタ・マリア・ノヴェッラ教会の輪郭を写し取り、自らを定住しない書画船の文人のように船上から筆を滑らせ桂林のカルストを描き、パステルの顔料の鮮やかさをそのままにウィーンの超高層ツインタワーの線を引く。また2000年以降の中国におけるプロジェクトの水彩は、自身の建築作品の文人たちへのオマージュでもあります。

磯崎新の建築の活動とドローイングの関係を探る「一本の線」にどうぞご期待ください。

磯崎 新
1931年大分市生まれ。1954年東京大学工学部建築学科卒業。1963年磯崎新アトリエを設立。以後、国際的な建築家として、群馬県立近代美術館、ロサンゼルス現代美術館、バルセロナオリンピック競技場などを設計。近年では、カタール国立コンベンションセンター、ミラノアリアンツタワー、上海シンフォニーホール、湖南省博物館、中央アジア大学、中国河南省鄭州市の都市計画などを手がける。ヴェネチア・ビエンナーレ国際建築展日本館コミッショナーなど、世界各地での建築展、美術展のキュレーションや、コンペティションの審査委員、シンポジウムの議長なども務める。近年の個展に「都市ソラリス」NTTインターコミュニケーション・センター[ICC](東京2013)など。「メタボリズムの未来都市」森美術館(東京2011)、「ジャパン・アーキテクツ1945-2010」金沢21世紀美術館(2014)、「The Emergence of Contemporary: Avant-Garde Art in Japan 1950-1970」 Paço Imperial(リオデジャネイロ2016)など国内外の展覧会に多数参加。

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2018-09-12|
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