Takayama Akira
McDonald’s Radio University
Friday, November 23, 2018 – Saturday, January 19, Extended until February 2, 2019
Opening Reception: 18:00-20:00 Friday, November 23, 2018
Hours: 12:00-19:00, Tuesday-Saturday (Closed Sun, Mon and Public Holidays except for Nov.23)
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photo by Keizo KiokuPRESS RELEASE
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MISA SHIN GALLERYでは2018年11月23日(金・祝)から2019年1月19日(土)まで、高山明による展覧会「マクドナルド放送大学」を開催します。
高山明は、1969年生まれ、インスタレーション、ツアーパフォーマンス、社会実験的プロジェクト、言論イベント、観光ツアー、ビデオなど、通常の形式の演劇という手法を離れ、現実の都市や社会の中で演劇の概念の拡張する活動を追求している演劇ディレクターでありアーティストです。
「マクドナルド放送大学」は、町中のマクドナルドを大学に変えるアートプロジェクトです。「教授」はなんらかの理由で故国を離れることになった移民や難民で、「学生」はマクドナルドに入店しハンバーガーやコーラとともに「教授」のレクチャーを注文して聴講することができます。
2017年、ドイツ、フランクフルト市内に点在する実際のマクドナルド7店舗において初演されました。「教授」はマクドナルド店内のどこかでピンマイクを通して講義を朗読し、その声はトランスミッターによって送信され、観客はカウンターで受け取ったポータブルラジオなどの受信デバイスとイヤホンで、店内で「学生」としてリアルタイムで講義を聴講します。フランクフルトでの教授陣は、アフガニスタン、シリア、パキスタン、ガーナ、イランなどから、ここ数年の間にドイツにやってきた「難民」と呼ばれる人々で、哲学、音楽、建築、生物学、自然科学、ジャーナリズムなどの全15科目が用意されました。
グローバル資本主義の象徴であり非健康的なファーストフードというイメージをもつマクドナルドは、階級やコミュニティーの分断があからさまに可視化しているヨーロッパにおいて、労働者と客の両方に渡り、最も移民や難民を受け入れ、多様な人種、民族、宗教、年齢層の人々が共存する空間でもあるのです。そのマクドナルドを舞台にすることで、高山はアートが社会問題を上から批判することの欺瞞を暴きながらも、このプロジェクトが現実世界から「学ぶ」ことを促す転換装置となりうることを提案しています。
MISA SHIN GALLERYにおける「マクドナルド放送大学」では、実店舗ではなくマクドナルドを模したギャラリー空間で行われます。今回の「教授」は、高山が企画した難民をガイドに東京を旅する「新・東京修学旅行 中国残留孤児編」に参加する中国帰国者の方々で、彼らとともに制作した新しい講義に加えフランクフルトとベルリンで制作された25科目からセレクトされた10科目が提供されます。初日の11月23日(祝)には、「教授」たちによる講義をライブで聞くことができます。
高山明のMISA SHIN GALLERYにおける初めての展覧会にどうぞご期待ください。
高山明
1969年生まれ。2002年、演劇ユニットPort B(ポルト・ビー)を結成。実際の都市を使ったインスタレーション、ツアー・パフォーマンス、社会実験プロジェクトなど、現実の都市や社会に介入する活動を世界各地で展開している。近年では、美術、観光、文学、建築、都市リサーチといった異分野とのコラボレーションに活動の領域を拡げ、演劇的発想・思考によって様々なジャンルでの可能性の開拓に取り組んでいる。主な作品に『シドニー歌舞伎プロジェクト』(シドニー)、『ワーグナー・プロジェクト』(横浜)、『マクドナルド放送大学』(フランクフルト、ベルリン)、『東京ヘテロトピア』(東京)、『ピレウス・ヘテロトピア』(アテネ)、『北投ヘテロトピア』(台北)、『ベイルート・ヘテロトピア』(ベイルート)、『横浜コミューン』(横浜)、『個室都市ウィーン』(ウィーン)、『国民投票プロジェクト』(東京、福島ほか)、『完全避難マニュアル』(東京、フランクフルト)など多数。また、横浜トリエンナーレ(2014年)、メゾンエルメス(2015年、東京)、六本木クロッシング(2016年森美術館、東京)、シャルジャ・ビエンナーレ(2017年)、シドニー・ビエンナーレ(2018年)などの展覧会にも参加。東京藝術大学大学院映像研究科准教授。