京都、烏丸四条近くに位置し、“アートコレクターの住まい”をコンセプトにしたnode hotel (ノードホテル / 所在地:京都市中京区四条西洞院上ル蟷螂山町461) の1Fのギャラリースペースにおいて、11月7日(火)から2024年1月30日(火)まで、6組のアーティスト、フランシス真悟、前田紗希、志水児王、崔在銀、GUN、ローリー・シモンズによる特別展“Light and Space Odyssey”を開催します。尚、本展の出品作品は全て購入が可能です。
本展では、宇宙の時間軸の中で繰り返される現象や移り変わり、光や波動を捉え、わたしたちが生きている壮大な循環サイクル、人と自然の営みの境界線とは何かを示唆します。
フランシス真悟の深い色彩のモノクロームの“Infinite Space”は、絵画作品でありながら空間的な広がりを追求し、観るものを自身の精神世界に包み込むような体験を生み出します。
前田紗希は、ペインティングナイフのみで油絵具を何十層にも重ね、日常のあらゆる物事や重なり、関係性など「時間の堆積と境界」を幾何学的に表現します。
志水児王は、音、光、振動といった物理世界を構成する微細な要素の特性を拡大し、それらが引き起こす物理現象を視覚的に捉え、“Transparent elements”として平面作品に昇華させています。
崔在銀の“Puglia Sky Project”は、多くの民族や権力者から支配されてきた長い歴史を持つイタリアプーリア州の村で、刻々と変化していく空を撮影し、宇宙の変わらぬサイクルと、その下で異なる時を生きる人々の営みを表現します。
新潟現代美術家集団GUN(ガン)は、1970年、「雪のイメージを変えるイベント」と称し、一面雪の信濃川河原に絵の具を散布し、雪原に巨大な抽象画を出現させ、広大な自然の中に、作品としては残らない人の行為としての芸術を生み出しました。
ローリー・シモンズの“ウォーキング・オブジェクト”は、現実と幻想、物体と人の混乱を捉え、現代社会の混沌とした世界を日常のレベルから映し出します。
Node hotelで開催する本展が、太古から続く光と空間の無限な営みと、人と自然との境界とは何か、という根源的な問いへの旅の結節点(node)となることを願います。
企画 : 墨屋宏明(アートプロデューサー)
「Light and Space Odyssey」
会期:2023年11月7日(火)ー2024年1月30日(火)
時間:11:00-19:00 ※11月7日(火)は12:00より
会場:node hotel 1F(京都市中京区四条西洞院上ル 蟷螂山町 461)
企画 : 墨屋宏明(アートプロデューサー/DART代表)
協力: DART株式会社、MISA SHIN GALLERY
入場料 : 無料
※本展の出品作品は全て購入が可能です。
作品やアーティストへのお問い合わせはinfo@misashin.comまでお気軽にご連絡ください。
参加アーティスト
Jaeeun Choi 崔在銀
1953年ソウル生まれ。草月流終了後、三代目家元、勅使河原宏のアシスタントとして数々のインスタレーションや、映画「利休」の制作に携わり、80年代から生命や時間をテーマに作品を発表している。91年サンパウロ・ビエンナーレ、95年には日本代表の1人として第46回ヴェネチア ビエンナーレに参加、2016年に第15回ヴェネチア建築ビエンナーレに出品するなど国際展への参加多数。主な個展として、「ルーシーと彼女の時間」サムソンロダンギャラリー(ソウル 2007年)、「アショカの森」原美術館(東京 2010年)、プラハ国立ギャラリー(2014年)、「The Nature Rules 自然国家:Dreaming of Earth Project」(原美術館、東京、2019)など。進行中のプロジェクトには1986年に開始し、世界7カ国に和紙を埋めたのち時を経て掘り起こす、時間を表すプロジェクト「World Underground Project」の他、2014年に立ち上げた韓国のDMZ(Demilitarized Zone:非武装地帯)での「Dreaming of Earth Project(夢の庭園)」の延長線で、破壊された森を復元させる計画に取り組んでいる。現在、銀座メゾンエルメス フォーラムにて個展「新たな生」が開催中。
Shingo Francis フランシス真悟
1969年カリフォルニア州サンタモニカ生まれ。ロサンゼルスと鎌倉を拠点に活動。フランシスは、絵画における空間の広がりや精神性を探求し続けているアーティストです。代表作として、幾層にも重ねられたブルーの抽象画や、深い色彩のモノクローム作品の他、特殊な素材を使用し観る角度によってさまざまな光と色彩が立ち現れるペインティング「Interference」シリーズが知られています。DIC川村記念美術館(千葉、2012年)、ダースト財団(ニューヨーク、2013年)、市原湖畔美術館(千葉、2017年)、セゾン現代美術館(長野、2018年)、マーティン美術館 (テキサス、2019年)、 銀座メゾンエルメスフォーラム(東京、2023年)など 国内外の多数の個展、グループ展に参加。JPモーガン・チェース・アートコレクション、スペイン銀行、 フレデリック・R・ワイズマン財団、森アーツセンター、セゾン美術館、桶田コレクション、東京アメリカンクラブなどにコレクションとして収蔵。2024年3月に茅ヶ崎美術館にて個展を開催予定。
GUN
1967年、新潟で前山忠、市橋哲夫、堀川紀夫らによって結成された現代美術グループ、新潟現代美術家集団GUN(Group Ultra Niigata)。1970年2月、十日町を流れる信濃川の河川敷の大雪原を舞台に、農業用の噴霧器で赤、青、黄、緑の四色の顔料を撒き散らしながら描いた巨大な抽象画「雪のイメージを変えるイベント」で知られる。近年の展覧会に「GUN―新潟に前衛があった頃」新潟県立近代美術館(2012年)、「荒野のラジカリズム グローバル 60年代の日本の現代美術家たち」Japan Society(ニューヨーク 2019年)、「Between Collectivism and Individualism —Japanese Avant-Garde in the 1950s and the 1960s」ザヘンタ国立美術館(ワルシャワ 2021年)など。
Maeda Saki 前田紗希
1993年福井県生まれ。2015年京都芸術大学美術工芸学科油画コース卒業。時間の堆積と境界をテーマに、ペインティングナイフのみで、油絵具を何十層にも重ね、常に上書き繰り返されてきた歴史の可視化を試みる。主な個展に「Accumulating as we pass by」YUKIKOMIZUTANI(東京、2022年)、GALLERY TOMO(京都、2019年)など。DMG森精機株式会社、OCA TOKYO(三菱地所株式会社)などにコレクションされている。2023年10月開催のMeet Your Art Festival 2023 に参加。
Shimizu Jio 志水児王
1966年東京生まれ。広島県・埼玉県在住。東京藝術大学美術学部大学院修了。1994~2006年、レーベル「WrK」に参加。2008年度文化庁新進芸術家海外研修制度により、2008-2010年コペンハーゲン在住。広島市立大学芸術学部准教授。音や光、振動など物理世界を構成する微細な要素を表現素材とし、それらが引き起こす現象とその知覚、運動と要素の発生、芸術と自然科学との関係などを実証論的なアプローチで表現を試みる。主な展覧会に、「六本木クロッシング」森美術館(東京/2004)、「釜山ビエンナーレ2008」釜山市立近代美術館(釜山/2008)、「日本のサウンドアート」ロスキレ現代美術館(コペンハーゲン/2011)、「オープンスペース2014」NTTインターコミュニケーション・センター[ICC](東京/2014-2015)、「Re-actions」三菱地所アルティアム(福岡/2017)、 「第21回文化庁メディア芸術際」 国立新美術館 (東京/2018)、「対馬アートファンタジア」(長崎/2018)、「瀬戸内国際芸術祭2019」(香川/2019)に参加している。
Laurie Simmons ローリー・シモンズ
1949年米国ニューヨーク州ロングアイランド生まれ,ニューヨーク在住。1971年、タイラー・スクール・オブ・アート(フィラデルフィア)芸術課程修了。ローリー・シモンズは、人間の代わりである腹話術人形やおもちゃ、人形、雑誌の切り抜きなどをその他の小道具と共に登場させる写真や映像作品で知られる。メトロポリタン美術館、ニューヨーク近代美術館、ホイットニー美術館、グッゲンハイム美術館、ロサンゼルス現代美術館、フィラデルフィア美術館、ウォーカー・アート・センターを始めとするアメリカの名だたる美術館にコレクションされているほか、アムステルダム市立近代美術館、イスラエル美術館、日本でも国立国際美術館、原美術館、金沢21世紀美術館に所蔵されている。